2026年4月14日火曜日

熊本地震から10年(2026.4.14)Ten years since the Kumamoto Earthquake

研究所全員に向けて送ったメールを掲載しておきます。

発生研の皆様

本日 、熊本地震の発生 (2016.4.14) から10年を迎えました。この地震によって尊い命を落とされた278名の方々に対し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

発生研にも、ご自宅が全壊・損壊された方々、怪我を負われた方々がおられました。大変な経験を乗り越えてここまで歩んでこられた皆様に深く敬意を表します。また地震発生後2年にわたる研究所の復旧に際しては、所員の皆様をはじめ、学内外の多くの方々からご支援いただきました。研究活動を再開して今日まで継続できていることは皆様のご尽力の賜物です。改めて感謝いたします。

現在の科学では地震の発生を予測することはできません。ご自宅の家具や研究室の機器が確実に固定されているか、もう一度ご確認ください。こうした備えは物的被害を防ぐだけでなく、ご自身の命を守ることにもつながります。

また、命を守るには水が不可欠です。10年前の地震では電気、水道、ガスが止まった上に、道路、鉄道、空港のすべてが大きな被害を受けて外部からの救援が約3日間途絶えました。私自身も水を確保できず途方に暮れたことを今でも鮮明に覚えています。非常時に備え、一人あたり1日3リットルx 3日分=計9リットルの飲料水を常備しておくことをお勧めします。参考:  https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/imadoki/imadoki02_10.html

この節目の日を災害への備えを見直す機会としていただければ幸いです。



Dear all IMEG members,

Today marks ten years since the Kumamoto Earthquake (Apr 14, 2016). I would like to pray for the 278 people who lost their lives in this disaster.

At our institute as well, there were members whose homes were completely or partially destroyed, and others who sustained injuries. I would like to express my profound respect to all of you who have endured such hardship and persevered to reach this day. Furthermore, during the two years required to restore the institute following the earthquake, we received tremendous support and cooperation from our staff and from many individuals both inside and outside the university. Thanks to your efforts, we were able to resume and continue our research activities. I would like to take this opportunity to express my sincere gratitude to you all.

Even with modern science, it is impossible to predict earthquakes. Please ensure that furniture in your homes and equipment in your laboratories are properly secured. Such measures not only protect property, but also help safeguard your own lives.

In addition, securing water is vital for sustaining life. Ten years ago, during the earthquake, not only were electricity, water and gas cut off, but roads, railways and airports were also severely damaged, preventing outside relief from reaching Kumamoto City for about three days. I strongly encourage everyone to prepare for emergencies by keeping three liters of drinking water per person per day for three days, for a total of nine liters.

I hope we can take this opportunity to renew our commitment to disaster preparedness.

2026年4月1日水曜日

谷川俊祐さん 祝 教授栄転 2026.4.1

発生研腎臓発生分野講師の谷川俊祐さんが、4.1付で山口大学細胞デザイン医科学研究所の教授として転出されました。おめでとうございます! 去る3.16に開催された転出セミナーの際の私の祝辞の一部を掲載します。


谷川さんと初めて会ったのは2011年2月、彼がアメリカ留学中に鹿児島に一時帰省しているときでした。家族思いの好青年で、アメリカでしっかり成果を出して私のラボに採用されるくらいに成長したいと言ってくれました。 私もこの人がうちのラボに来てくれたらよいなあと思いました。しかし彼を雇用するための予算を持っていませんでした。それからしばらくして新しい大学院プログラムの公募がありました。それに熊大発生研として応募して全国の厳しい競争を勝ち抜き、運よく採択されたら特任助教を公募し、そこに谷川さんに応募してもらってこれまた競争を勝ち抜いてもらう、というかなり確率の低い三段階のプランを考えました。これが実現したのがHIGO programであり、谷川さんは2年後に特任助教として熊大に着任して、企業 internshipの引率をしっかりやって、メンターとして他のラボの学生を指導し、多くの学生から慕われました。その後、助教、講師と順調に昇進し、さらに教授として栄転されることは、とてもめでたく、嬉しいことです。新天地での一層のご活躍を祈念しています。
I first met Shunsuke around 15 years ago, when he was back in Kagoshima for a short visit while studying in the US. He was a kindhearted young person who cared deeply for his family. I hoped he would succeed in the US and join my lab later. This was one of the reasons why I started the HIGO program.

谷川さんはとても優しく誠実で、細かい気配りができ、お願いしたことは喜んでやってくれる。私はこんな好人物に出会ったことがありません。実験においても、多くの可能性の中から真実を掘り当てていく嗅覚とそれを支える膨大な仕事量は卓越しています。私のラボがうまくいったのは谷川さんのおかげです。谷川さんと一緒にやれて、とても幸せな13年間でした。本当にありがとうございます。
私は彼の優しさと才能を信じ続けてきました。私は谷川さんに「独立へのルートは一本道ではなく、多様な道筋がある。あなたは私心なく人を助けることができる、それによって人から助けられる。それが谷川さんの最大の長所だ、それを活かして戦え、せっかくの長所を捨てるな」と言い続けました。そして谷川さんは、多くの論文を出し、多くの研究費を獲得して、教授として独立することができました。自分のことを一番に考える従来のPIとは違って、人を助けて人に助けられる新しいタイプのPIが誕生したのだと思っています。山口大学は彼の最大の長所を評価してくれたわけで、彼の独立を心から祝福します。
Shunsuke is incredibly kind and sincere. He is always happy to help others. I’ve never met such a wonderful person. In the experiments, his ability to uncover the truth from numerous possibilities, based on tremendous hard work, is truly exceptional.
I kept telling him, “The path to independence is not a single, straight road. There are many different routes. You have the ability to selflessly help others, and in doing so, you’ll receive help in return. That is your greatest strength. Use it to your advantage. Don’t throw away such a valuable asset.” Shunsuke then published numerous papers, secured substantial research funding, and finally established himself as a professor. Congratulations!
谷川さん、本当におめでとう!

転出セミナーのURL https://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/seminar555/ 


2026年3月30日月曜日

桜峰小学校 閉校 2026.3.31

 私が通った鹿児島県・桜島の桜峰小学校が2026.3.31で閉校します。私が住んでいた頃の桜島は農業も観光も栄えており、西桜島村が桜島町になった1973年には全島挙げてお祝いしました。ほぼ毎日噴火する火山の麓で駆け回って遊んだ、私の故郷です。桜峰小学校も当時は360名と大勢いたのですが、過疎化が進み、ついに桜島全島の小中学校が閉校して、一つに合併されます(桜島学校)。寂しい限りです。

去る2.14に閉校記念式典が開催されたので、急遽思い立って参加してきました。私が児童会長として卒業記念に植えたクロガネモチが5mを越す大木になっていました。卒業以来50年ぶりに校舎に入って懐かしい教室を見た後、式典で皆さんと一緒に校歌を歌いました。「雲に聳ゆる桜島、高きを己が心とし、、」。閉校してもそのスピリットと思い出は一生心に残り続けます。

思えば、ここが私の原点でした。あの時から長い時間をかけて、医者になり、研究者になり、腎臓を作り、とここまできました。自分はここから始まった、我ながらよく頑張った、でももっとやるぞ、と思いを新たにしました。

さらば桜峰小学校!