2012年10月9日火曜日

祝 山中教授ノーベル賞受賞

山中さんがノーベル賞を受賞しました。
彼は私と同学年、ノーベル賞としては非常に若い受賞です。

10年近く前にSall4 KOで競争したことがあり、それ以来の知り合いです。正直でユーモアに富む好人物です。熊大発生研の客員教授でもあり、会う機会は多く、私の研究室でも彼の作ったiPS細胞を使っているし、私の教え子も彼の研究所で働いています。

彼の発見はとんでもなく大きなもので、今回の受賞は我々日本の研究者にとっての誇りです。と同時に、同い年の彼に随分離されてしまったので、もう一度気合いをいれて頑張ろうと思っています。

2012年8月4日土曜日

孤独を恐れない

自分のキャリアを形成する上で、孤独を恐れないことは大切です。前の人が歩いた道を歩いている間は安心感がありますが、そこから外れると先は見えないし、砂漠を歩いているような感じになることがあります。例えば医者であれば医局に属している間はルートがある程度みえますが、そこから外れるとどうなるのかわからない。研究者として、学位をとって留学してPIを目指すというルートから外れると、これまたどうなるかわからない。でもそれは決してドロップアウト(脱落)ではない。自分が最初にいたところが最も重要な分野だと思いがちですが、広い目で見るとそうではありません。孤独に耐えて歩いていれば必ず別の道に行き当たるし、そこにはそれぞれにプロがいます。自分が砂漠を横切って歩んだ道を次の人が歩くとき、あなたは先駆者としてその独自性を評価されます。だから他人とは違った生き方をしてください(あるいは、せめてここだけは自分のオリジナルだといえる点をつくってください)。これを実行するには相当な実力が必要で、それがない人がやると、失敗して批判されるだけです。実力をつけて、孤独を恐れずに他人とは違う砂漠を歩いてください。そして10年後に振り返ったら、自分の後ろに道ができているといいですね。