さて私事ではありますが、本年3月末日をもって2期4年の任期を満了し、所長を退任することとなりました。着任直後 (2016年4月14日) の熊本地震の際には、全国の皆様から多大なご支援をいただきました。当時の激励メールや寄附名簿をみるたびに思いを新たにします。ここまで発生研が回復できたのも、また自分がここまで頑張れたのも、皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございました。一方で、コロナウイルスの感染が拡大しており、地震に始まりコロナで終わる所長ということで、被害を最小限に抑えるべく緊張した日々が続いています。
この4年間には所長業務の傍、腎臓の高次構造の試験管内再構築、患者由来のiPS細胞による遺伝性腎臓病の再現、腎臓前駆細胞の増幅法などの成果を論文発表し、メディアでも報道していただきました。しかし機能する完全な腎臓を作るには解決しなければならないことがまだ多くあります。4月からは副所長として新所長をサポートしつつ、研究により多くの時間を割くつもりです。世界の誰も見たことがない、自分にしか見えない景色が時々見えるのが研究の醍醐味ですし、未来の医療にも繋がります。さらに挑戦を重ねて、世界と自分自身の想像を超えていきたいと思っています。今後も発生医学研究所をよろしくお願いいたします。
2020年3月
熊本大学 発生医学研究所
西中村 隆一
西中村 隆一