2025年4月17日木曜日

日中笹川医学奨学金認定式 挨拶 2025.4.16

 Yuhao Wangさんが第46期日中笹川医学奨学金の対象者に選ばれ、その認定式に出席しました(ポスドクは全国で7名)。その時の挨拶です。


Yuhao Wangさん、そして皆様
本日はおめでとうございます。あなたにとってこの2年間はとても貴重です。是非有意義な時間を過ごしてください。
私の研究室では複雑な構造を持つヒト腎臓を試験管内で作れるようになってきました。しかしまだ尿を流せていません。そこで、Yuhao Wang さんには、尿管を作り、それと腎臓を繋ぎ、さらに移植してホストの膀胱と繋いで、尿が流れる機能的な腎臓を作ってもらいたいと思っています。もちろんこれは挑戦的なプロジェクトであり、簡単にできることではありません。それに向けて一歩ずつ着実に進めば良いです。私と一緒に試行錯誤しましょう。
この2年間に限らず人生において、焦ったり迷ったりすることもあるでしょう。その時は私たちは患者さんのため、あるいは人類のためにサイエンスをやっていることを思い出してください。迷ったときは、サイエンスのためにベストなことは何かで判断してください。サイエンスを自分の出世や生き残るために決して使わないでいただきたい。サイエンスより自分のことを優先していないか、よく考えてください。
最後にもう一つ。ちょうど9年前の今日、熊本地震の本震が起き、私たちの研究所は大きな被害を受けました。今頃の時間(16:00)は立ち入り禁止にした建物に所長として一人残って、対策を必死に考えながら多くの指示のメールを出していました。その時に実感したのは、刻一刻変わっていく状況を研究所全員に伝えるのが難しかったことです。さらに情報のほとんどが日本語で、留学生に届くのに時間がかかりました。そこで私たちの研究所では、すべての所員(教員、ポスドク、技術職員、事務職員, 学生まで全員)がすべての所員にメールできる体制を作っており、かつ日本語と英語を併用するようにしています。日本では地震が頻繁に起きますので、皆さんのところでもそうされるのをお勧めします。
それでは改めて採択おめでとうございます。充実した研究生活をお送りください。

熊本地震から9年 2025.4.14

発生研全員に送ったメールです。

皆様 

 

2016.4.14の熊本地震から9年になります。
この機会に地震・火事に対するマニュアルを復習し、機器の固定をお願いします。

 

非常時にあなたが発生研の建物内にいた場合、あなたに全てがかかっています。初期消火、救護、消防/救急への連絡、館内放送での退去呼びかけ、などの対応をお願いします。 そして、このアドレス     を使って全員に(建物外にいるメンバーにも)状況を知らせてください。
このアドレスは、熊本地震の際に刻一刻と変わっていく状況を迅速に共有できなかった反省から作られたもので、発生研の方は誰でも全員に向けて発信できます(センター事務にも届きます)。あなたのアドレスも登録されていますので、平時にも気軽にご利用ください(発生研セミナーのお知らせにも使われています)。それが非常時に生きます。

しかしこのアドレスは、熊大黒髪キャンパスのサーバーが損傷や停電で停止すると全く使えません。その場合には研究支援会議のメンバー間で連絡を取れるようにしてあります(アクセス権はメンバー限定)。ラボ内はLine, Slack, Googleなど熊大のサーバーに頼らない連絡方法があると思いますので、研究支援会議のメンバーに連絡して、ラボ及び全所で情報を共有ください。

 

熊本地震直後の状況は下記から。

 

 西中村

 

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Dear all,

 

It has been nine years since the Kumamoto Earthquakes in 2016. 

 

Always be prepared for earthquakes and/or fires. Please read the manuals in the following URL. 

 

If you are in the IMEG building at the time of an emergency, you should take care of everything, including initial fire fighting, rescue of the injured, emergency calls, and evacuation announcement for the remaining members in the building. Also mail to this address, so that you can share the information with all the IMEG members.
This mail address was created because we could not share the ever-changing situation when Kumamoto earthquakes occurred. You can send your message to all IMEG members (including the administration office). So please feel free to use it even in normal times (it will be useful in emergencies).

However, this address will not work if the server at the Kurokami campus of Kumamoto University is damaged or stopped due to a power failure. In such a case, we will share information through the members of the Research Support Committee (access rights limited to members only). Please contact the committee members to share information with other members in the lab and institute, as you should have communication methods in the labs such as Line, Slack, Google, etc. that do not rely on the Kumamoto University server.

 

Please see below to learn the situation just after the earthquakes.

Ryuichi Nishinakamura